2014年6月4日水曜日

Wi-Fi、公衆無線LAN、WiMAX、LTEとは? モバイル無線通信の基本用語まとめ

スマホの普及で、高速な無線通信サービス、Wi-Fi、公衆無線LAN、WiMAX、LTEが登場しています。でも、その違い、いまいち分かりづらいですね。私もコンピュータ技術者の一人(といっても古い技術者)ですが、これらを説明して!と言われても、なかなかうまく説明できません。

なお、これらのサービス、いずれもノートパソコンやスマホで、いつでもどこでも高速でインターネットが使えるサービスです。今回は、これからますます盛んになる「高速な無線通信サービス」を簡単に紹介し、その違いも説明したいと思います。


高速のインターネット接続というと、これまでは、FTTH(光ファイバー)、ADSL、CATVなどの有線接続が主でした。無線接続は、これまでは通信速度が遅く、インターネット利用では不便でした。

しかし、Wi-Fi、公衆無線LAN、WiMAX、LTEなどを使えば、ノートパソコン、スマートフォンなどの携帯機器で、高速な無線通信のインターネット活用ができるようになりました。最近の無線通信サービスの高速化には驚くばかりです。

なお、携帯電話会社の通信サービスが高速化されたことで、スマホを無線のアクセスポイント(親機)として、パソコンなどさまざまな外部機器をインターネットに接続して楽しめるようになりました。

これが「テザリング」と言われるもので、パソコンなどをスマホにWi-Fiで接続し、スマホからインターネットに接続します。これを使うと、例えば、田舎などでも、スマホがあるだけで、スマホにパソコンを無線で接続し、インターネットを活用できるようになります。

ただし、「テザリング」を使うと、通信料が高額になるので、「スマホのパケット定額サービス」への加入が必須です。そうしないと、パソコンで多量のインターネット通信を実施してしまい、高額な料金を請求されます。

なお、「テザリング」を使いすぎると、すぐにパケット定額サービスの最大料金になるので、使い過ぎによるスピード制限に注意下さい。



■ LAN、無線とは


LANとは狭い範囲のコンピュータがつながったもの

ネットワーク(Network)とは、「コンピュータが網の目のようにつながったもの」です。インターネットは、世界で一番大きなネットワークになります。

なお、LAN (Local Area Network、ラン)とは、「狭いネットワーク」のことで、家庭や建物内の、「狭い範囲のコンピュータがつながったネットワーク」を言います。


有線(ワイヤ)と無線(ワイヤレス)

ネットワークは、つなぐ形態で、有線(ワイヤ)と無線(ワイヤレス)に分けられます。

  有線(ワイヤ)  : 線でつなぐ方式
  無線(ワイヤレス): 線でつながず無線(電波)でつなぐ方式


有線の場合は”有線”という言葉はつけず、無線の場合だけ「無線LAN(ワイヤレスLAN)」というように呼ばれることが多いです。



■ 親機(アクセスポイント)と子機

無線でのインターネット接続の窓口を「親機(アクセスポイント)」といい、それにパソコンなどの「子機」をつなぐことで、インターネットを利用します。

なお、家庭では、通常、「親機(アクセスポイント)」は、ルータが兼ねる場合が一般的で、無線LAN機能を有したルータをアクセスポイントとして無線LANを構築します。



■ 無線LANの接続規格


無線LANは「IEEE 802.11」という接続規格で実現されており、2014年6月現在では、以下の接続規格があります。なお、家庭で使う、無線LANの親機(アクセスポイント)の場合、複数の規格をサポートしています。例えば、IEEE802.11b、IEEE802.11g、IEEE802.11aなど。

 ・IEEE802.11b・・・周波数帯域2.4GHz帯を使用した規格、最大速度は11Mbps

 ・IEEE802.11g・・・周波数帯域2.4GHz帯を使用した規格で、最大速度は54Mbps

 ・IEEE802.11a・・・周波数帯域5.2GHz帯を使用した規格で、最大速度は54Mbps

 ・IEEE802.11n・・・周波数帯域2.4GHz帯と5.2GHz帯の両方を使用、最大速度は450Mbps

 ・IEEE802.11ac・・・周波数帯域5GHz帯を使用した規格で、最大速度は約7Gbps



■ Wi-Fi(ワイファイ): 国際的な認証を受けた無線LANのブランド名


Wi-Fi(ワイファイ)は、国際的な業界団体「Wi-Fiアライアンス」から、無線LAN機器間の接続を保証し、認証されたことを示す名称、ブランド名です。安心して、無線LANに接続できますよ!というシンボルです。

最近では、パソコン以外にも、スマホ、携帯ゲーム機、音楽プレイヤー、デジタルカメラ等にもWi-Fiが搭載されており、Wi-Fiのお陰で、無線で安心して相互に接続出来ます。

また、Wi-Fi機能が加わったSDHCメモリカードもあり、撮った写真を無線LAN経由で自動的に転送し、写真共有サービスやPC上に画像を転送することができます。



■ 公衆無線LAN(ホットスポット、Wi-Fiスポット)


無線LANを使用し、ごく限られたエリアでインターネットへの接続ができるサービスです。空港、駅、ファーストフードなどにおかれ、街中でブロードバンド環境でインターネットが利用できます。

公衆無線LANはWi-Fiで接続されており、ホットスポット、Wi-Fiスポットなどと呼ばれます。



■ WiMAX(ワイマックス)、モバイルWiMAX : 高速無線ネットワーク


無線LANの技術を拡張して規格化され、広範囲でインターネットなどの通信ができる高速ワイヤレスインターネットです。無線LANとは異なり、広いエリアで利用可能で、外出中や移動中も高速の通信が可能です。

ひとつの基地局でカバーできる範囲が、無線LANに比べて広く、技術的には最大半径3kmまでアクセス可能です。

“無線LAN”の延長線上に生まれた規格であり、元々は光やADSLなどの敷設が難しい地域に向け、無線による固定ブロードバンド通信網を提供するための技術としてスタートしたものです。

また規格策定には、パソコン向けのCPUで知られるインテルが大きく関わっていることから、現在多くのノートパソコンに、モバイルWiMAXによる通信機能が内蔵されるようになってきています。



■ LTE :携帯電話の高速通信サービスの規格 「3.9G」(第3.9世代)


LTE(Long Term Evolution)は、次世代の携帯電話向け高速無線通信規格のことです。国内では「3.9G」とも呼ばれてきましたが、最近は海外を中心に「4G」と呼ぶことも増えてきています。

NTTドコモの高速通信サービス「Xi」(クロッシィ)に採用されるなど、いま注目を集めている新しい通信方式です。

LTEは携帯電話のデータ通信を高速化した規格で、家庭向けのブロードバンド回線にほぼ匹敵する高速なデータ通信が可能です。従来と異なりすべての通信をパケット通信として処理するため、音声通話はデジタルデータに変換されてパケット通信に統合されます。


■LTEとモバイルWiMAXの違いは

LTEは、3G携帯電話方式の延長として生まれたもの。モバイルWiMAXは無線LANの技術を拡張して生まれたもので、料金プラン、対応エリアなどが違います。

なお、LTEは、携帯電話キャリアが導入しやすいよう、従来の携帯電話の規格と共通化、あるいは互換性を持たせる仕組みを用意しているのが特徴です。

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